前日に1kg以上のステーキを食べたものの、朝目覚めると不思議とお腹が空いていた。支度を済ませ、朝食会場のレストランへ足を運ぶ。


自分たちの宿泊プランではバイキングの他に無料で1プレート注文できるとのことで、いちごジャムの掛かったフレンチトーストを頼んだ。ふわふわのトーストが美味しい。マキアートと共にゆっくり朝食を味わった。
朝食後チェックアウトして、フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅(以下、ィレンツェSMN駅)近くのコインロッカーにスーツケースを預ける。インターネットで事前予約して、送られてきたパスコードを入口のテンキーに入力して入室。無人だがこのようにセキュリティが厳重なので安心だ。

身軽になったところで最初に向かったのは、すぐそばの世界最古の薬局「サンタ・マリア・ノヴェッラ」。お恥ずかしながらこの手のショップには無知で、どんなショップなのか想像が及ばなかったのだが……。

サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局は1221年創業で800年以上の歴史を持つ、ドミニコ修道会の製薬活動を起源とした薬局で、メディチ家の王家御用達製錬所だ。サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の裏手にある。どちらかというとブランドショップや百貨店のような高級感溢れる気品ある店内で、伝統あるオーデコロンや石鹸などが陳列されていた。
色々眺めたり試したりする中で妻は石鹸が欲しくなったようで、値段を気にしていたが値札が無い。近くにいた従業員にQuanto costa?(おいくらですか)と聞いたら日本語で「15ユーロ」と返ってきて拍子抜け。

SMN駅そばのスカラ通り。サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局はこの通りにある。ローマとはまた違う佇まいだ。

SMN駅西側のアラマンニ駅電停に停車するフィレンツェ・トラム。現在運行されているトラムはT1号線が2010年、T2号線が開業と新しい路線だ。

車両はアンサルドブレーダ(現・日立レール)製の「シリオ」。車体側面上部の赤帯に「HITACHI」のロゴが入った車両も一部走っていた。

フィレンツェSMN駅。駅前からバスに乗り、ミケランジェロ広場のある高台の下、サンニッコロ門のそばまで移動する。
フィレンツェの路線バスもローマ同様、クレジットカードのタッチ決済が利用できた。イタリア各都市の路線バスでタッチ決済は利用できるようで、外国からの観光客にとっては便利だ。

サン・ニッコロ通り。

1300年代築のサン・ニッコロ門。
サン・ニッコロ門の建つジュゼッペ・ポッジ広場から高台を目指す。階段や整備された道路があるので登るのは容易だった。

ミケランジェロ広場からはフィレンツェを一望することができる。脳内にあるイタリアのイメージがそのまま出力されたような景色で、アルノ川の対岸には赤い屋根の建築群が広がり、背の高いドゥオーモやサンタ・クローチェ教会が際立つ。その奥には緑際立つ山々が聳え、コントラストが美しい。

ひとつ前の写真はほぼ真北を見た景色で、北西側を向くとアルノ川の両岸に広がる街並みを見ることができる。写真中央部の大きな橋はヴェッキオ橋。
ミケランジェロ広場は多くの観光客で賑わっていたが、広々としていて窮屈さは感じなかった。
しばらく景色を眺めたあとは丘を下ってアルノ川沿いまで出て、そこから西に進んだ。

穏やかな青空の下、アルノ川沿いを散歩する。対岸には所々に美しい建築が見える。画像はウフィツィ美術館。

南の山側を見れば、石造りのビルが所狭しと並ぶ石畳の路地。思わずシャッターを切る。

フィレンツェの中心部に出ると、所狭しとショップが並んでおり、観光客で賑わっていた。

上記のヴェッキオ橋の中は金細工や宝石の店がずらっと軒を連ねる。ベネチアのリアルト橋もそうだが、川(運河)を跨ぐ堅牢な橋の両側に商店街が形成されているのは日本ではなかなか見られない光景ではないか。

ビルの間から急にヴェッキオ宮殿が見え、迫力に驚く。

100m近い塔を持つゴシック建築で、かつてのフィレンツェ共和国政庁舎である。

ヴェッキオ宮殿があるシニョリーア広場にはダビデ像のレプリカ等、彫像が至る所にあった。写真はネプチューンの噴水。

更に北上してドゥオーモ。フィレンツェで一番有名な教会だろう。ディティールに至るまで豪華な造りだ。

これまたドゥオーモの特徴である大クーポラ。

ドゥオーモの近くから見たヴェッキオ宮殿。こうしてみると存在感がよく分かる。

フィレンツェSMN駅の東側にあるアリエント通り。
妻がメルカート・チェントラーレ(中央市場)に立ち寄りたいとのことで向かっていた道中に通ったが、無数の露店が密集していて賑やかだった。革製品を扱っている店が多く、革の匂いが立ち込める場所もあった。
ただ、全ての店がそうではないが怪しげな如何わしい店もあってあまり物色する気にはなれず、足早に市場へと向かった。

メルカート・チェントラーレはとても大きな市場だ。1階部分は休業(もしくは閉店)している店が多かったが、2階に上がると様々な飲食店があり、大勢の人でごった返していた。
妻の目的はトリッパ(牛のハチノス)のトマト煮込みだった。目星をつけていた店が見つからず右往左往していたがなんとか発見。ハチノスが得意ではない自分は何も食べずにいるつもりだったが、妻に勧められて1口貰った。下処理がしっかりしているのと、ピリ辛なトマトソースが効いていて美味だ。ホルモン好きの妻は大満足だった様子。

駅前まで戻ると、日本食レストランなのか中華料理屋なのか迷う店名のレストランを発見した。横にCINAと書かれていたので中華料理屋だ。店名のちぐはぐ感よりも、イタリア旅行中になんで京都という文字を見なきゃならんのだという感情に襲われた。
なお、残念ながら閉店している模様。