イタリア滞在も3日目。ホテルで朝食を摂る。前日も同様にホテルの朝食バイキングだった。

イタリア人の朝食は基本的にパンとコーヒーのようだ。ホテルのバイキングにはハムやベーコンなどの肉類にサラダ、チーズ、フルーツ等があったので、肉とサラダも付け加える。パンの種類は豊富だったが、Nutella入りのクロワッサンが特に好みだった。食べ過ぎるとすぐに太りそうな味だったが。
イタリアのコーヒーといえばエスプレッソ。凝縮されて苦みが強いものだが、砂糖をたっぷり入れて飲むと甘さと苦みがちょうどいい塩梅で美味しい。
この日でローマから離れるため朝食を終えた後にホテルをチェックアウト。タクシーと地下鉄でテルミニ駅に移動し、初日に世話になった手荷物預かり所に再びスーツケースを預ける。ローマはどうもコインロッカーが無いらしく、身軽になるためには手荷物預かり所に預けるのが手っ取り早い。

地下鉄B線に乗車してチルコ・マッシモ駅で下車する。背後には国際連合食糧農業機関があるため、各国の国旗がずらりと並ぶ。

手前の広大な土地が「チルコ・マッシモ」で、古代ローマの戦車競技場の遺跡だ。その奥には帝政ローマ期の宮殿が建ち並ぶパラティーノの丘。

チルコ・マッシモに沿いながらテベレ川の方面を目指すとサンタ・マリア・イン・コスメディン教会に辿り着く。やや小ぢんまりとしているが、立派な鐘楼を持つ。

ここはかの有名な「真実の口」がある場所だ。イタリア観光で定番中の定番だろう。朝からツアー団体が記念撮影に列をなしていた。
一応係員のおっちゃんが1人立っていて、撮影が終わった観光客を滞留させないよう声掛けをしていた。途中で寄付を募るスペースがあったので小銭を入れたらおっちゃんが「こんにちは」と話しかけてきた。せっかくなので我々の記念写真をおっちゃんに撮ってもらう。もちろんお決まりの手を喰われているポーズで。

教会の内装。中央の身廊と柱の左右に側廊を持つ(バシリカ建築という様式だそう)。
一通り見学して、お土産屋を覗いてサンタ・マリア・イン・コスメディン教会を後にする。

テベレ川沿いを進む。観光という観光は真実の口ぐらいしか考えていなかったので、ランチを食べる店まで散歩した。

テベレ川から離れて、トラムが走るアレヌラ通りを北上する。
ATACのトラムで9100形。電車を見つけるとすぐ撮りたくなってしまうのが良くない。

穏やかな風が吹くローマの市街地を歩き回る。ローマ3日目でも街並みが新鮮に映り散策しているだけでも楽しい。
前日に通ったナヴォーナ広場まで辿り着くと、すぐそばにお目当てのお店があった。

HOSTERIA PIZZERIA
11時頃に入店したので店内はまだ空いていた。

ラザニアの文字を見つけてふと食べたくなり、ラザニアを注文する。チーズとボロネーゼソースがたまらない。

フォカッチャはどう?と勧められるがままに注文。ラザニアは味が濃いしちょうどいいがしかし量が多い。満腹で店を出た。イタリアのお店はやはりどこもボリューミーだ。
退店後は近くのバス停から路線バスでチルコ・マッシモ駅まで戻った。ATACの運営する地下鉄、バス、トラムは切符が共通で、時間内であれば1回券や24時間券等の1枚の切符でどれも乗り降りできるので、ローマ市内を動き回るなら公共交通は積極的に使いたい。ただし観光客の盗難被害もよく聞くので要注意だが。
ちなみに、ATACの公共交通機関はクレジットカードのコンタクトレス決済(Tap&Go)も利用できる。改札機にタッチしてから100分以内であれば紙の切符同様、1回券の料金(1.50€)で何度でも乗り降りできる。24時間以内に1回券を5回分使うと自動的に24時間券(7€)が適用されるなど、利用状況に応じて最安値となるよう自動計算される。

チルコ・マッシモ駅に滑り込むローマ地下鉄のスナップ。
地下鉄でテルミニ駅まで戻り、スーツケースを回収。ローマを離れフィレンツェに向かう。
……のだが、乗車予定のItaloが60分遅れで出鼻をくじかれる。海外の鉄道で遅延は付き物だとは分かっているものの、他の列車はあまり遅延していないにもかかわらず乗車予定の列車に限って大幅に遅れてしまう運の無さ。
スーツケースを持っていて身動きも取りづらいので、Italoのアプリで運行状況を見ながら待ちぼうけ。

電光掲示板の1番上が乗車予定のItalo 8134列車。イタリア半島最南端に近く、シチリアの対岸にあるレッジョ・カラブリアからイタリア半島を縦断して、トリノ・ポルタ・ヌォーヴァに至る長距離列車だ。そりゃあこれだけ遅延も発生するわと納得してしまう。
ちなみに列車の乗り場は到着の約10~15分前にならないと確定しない。そのため、巨大なターミナル駅ではホームで待つことも難しい。

到着見込み時間が近づいて乗り場がようやく確定し、ホームへと入場する。
最初に視界に飛び込んできたのはFrecciargentoのETR485。

ItaloのETR575とFrecciargentoのETR600。

大屋根こそないものの、広大かつ長大なホームでどことなくのんびりした、長距離列車のターミナルらしい光景が広がる。

ようやく乗車する8134列車が入線してきた。
今回利用したのは一番下のクラスのEconomyで、座席は集団見合い式シートのボックス部分だった。乗車率は高くほぼ満席、そして網棚も荷物置き場もスーツケースでいっぱい。妻が持っていた小型のスーツケースはなんとか収まったが、自分が持っていた比較的大型のスーツケースがどこにも収められない。
最悪デッキで荷物を持ちながら過ごすかと考えていたところで、次駅のローマ・ティブルティーナ駅で降りる人がデッキの荷物置き場からスーツケースを出し、さらにデッキに居た別の人も含めてこちらのスーツケースが収まるように収納を手伝ってくれた。収まった瞬間に一同大歓喜。現地人なのかツーリストかはわからないが、人の優しさに触れた出来事だった。
大荷物の人はPrimaなど上位クラスを予約したほうが良いかもしれない。また、持ち込めるスーツケースの大きさには上限もあるので注意。

ボローニャを経て2時間ほどでフィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅(以下、SMN駅とする)に到着。ここも頭端式ホーム。欧州の鉄道は主要駅が頭端式ホームの駅が多く、その都度折り返しをしていると思うと大変だ。

SMN駅のコンコース。ここもたくさんの乗客が行き交っていた。

コンコース西側の壁画。絵も大きさも全然違うけれど、上野駅中央改札の「自由」が頭をよぎった。
急な雨に降られるも、ホテルに無事チェックイン。少々散策してからディナーをと考えていたが、雨が降り続いていたので止むのを待って、直接ディナーに出掛けることにした。


フィレンツェの街中を歩いていく。ローマとは少々違い、落ち着いた趣がある。それでも中心部に入っていくと、これから賑わいを見せそうな雰囲気だ。

アルノ川から対岸を眺める。

IL LATINI
フィレンツェでも人気のレストランのようで、開店待ちで大勢の人がいた。予約をしてあったので難なく入店。

まずは妻が食べたがっていたパッチェリ(パスタ)。ソースは猪肉のボロネーゼ。ハウスワインと一緒にいただく。
テーブルチャージとしてパンがついてくるのだが、これまた大きい。

そしてメインがフィレンツェ風ステーキ。フィレンツェに行ったら絶対食べると決めていた。
とにかくデカい!最低注文単位が2kgと言われ驚愕するも、2人とも胃袋の大きさには自身があるからと注文したが、いざ目の前にするとその大きさに驚く。
横にある書類は血統証明書。キアニーナ牛の仔牛肉を使用するのが伝統的なものらしく、このステーキもちゃんとキアニーナ牛の仔牛肉だった。

フィレンツェ風ステーキの特徴は大きさの他に、焼き加減がレアであること。焼き加減に注文が付くのだろうか、メニューには”ONLY RARE”と記載されていた。
外はカリっと、中はレアで柔らかく、塩コショウのみのシンプルな味付けながら、肉の旨味と塩味が口の中にこれ程かというほど広がる。美味すぎる。
ワインを味わいながら、ステーキとパンを頬張っていく。幸福の極みだ。
さすがに終盤になって妻が満腹になっていたので、自分が6割くらい食べただろうか。それでもペロリと平らげてしまった。
ここのウェイターは皆良い人だったが、特に日本語に明るいウェイターがいて驚きと嬉しさがあった。こちらが日本人とわかると否や、片言で挨拶してきたり料理の感想を聞いてきたりする人は結構いるのだが、普通に会話できる上に流暢だったので凄い。本人は謙遜していたが、本当にお上手だった。
ちなみに他のウェイターも何人か日本に行ったことがあるとかで、こちらが大阪の方から来たと言ったら、「前にうちの人が行っていたよ」とのこと。
隣のテーブルにはイギリスからのカップル若しくは夫婦が食事していて、そちらの方々とも話が盛り上がった。平仮名・カタカナ・漢字があって大変といった話になり、「いやー難しいっすよ日本語は。日本人でも難しいですわ。」と言った。
こんなこと言いつつ、我々は片言の英語がやっとで、イタリア語もほとんど分からないといった具合なので偉そうな事は言えないのだが、コミュニケーションはとにかく相手に意思を伝えることが大事なのだ。不得手な言語でも、身振り手振りを交えつつ頑張って伝えれば、意外と何とかなると学んだ(もちろん敬意やマナーを忘れずに)。
レシートの値段を見て一瞬凍りついたものの、せっかくの新婚旅行だから気にしないことにして退店。味もボリュームもサービスも満足で、食事については今回の旅行で一番だった。

夜の街を歩く。8月終わりだが既に肌寒かった。
バールやレストラン、クラブなどからワイワイと賑やかな声が聞こえてきて良いなと思いつつ、多幸感に満ち溢れながらホテルへと戻るのであった。